当社の主力製品のスプールは建機の心臓部・油圧制御をおこなう部分に組み込まれており、外から見ることはできませんが大活躍しています。
この「スプール」(クリックすると加工実績に遷移します)*を試作や量産(一部の製品は組立まで行います)で、ここ5年間に約300種製造していています。主に鉄が使用され、滑りを最適化する様々な加工が施されますがこれはまた別途。
「スプール」と言われれば多くの方はその大体の形が思い浮かぶのではないでしょうか。
因みに、英語のSPOOLを訳すと糸巻と出てきます。まさに下記の図①のような形状のものがスプールと呼ばれますが、皆さんが描いたスプールとは違いますか?
「糸をまくための溝がある棒」これがスプールです。
この形状が建設機械等を動かす動力になる油圧を制御する上で、とても重要な役割を果たしています。
スプールは筒状の穴に組み込まれ、移動して油を多く流したり止めたりする動作を行います。
図②E-Typeでは、油をその通り道のポートから入れても他のポートには流れない状態ですが、スプールが右に動くとTとB、PとAがつながり油が流れるようになります。
因みにポートを塞ぐスプールの盛り上がった部分はランドと呼ばれます。
H-Typeの場合、どのポートもつながっている状態ですが、スプールが右に動くと、TとB、PとAのみがつながった状態となります。
このようにバルブの特性をスプールの溝形状によって制御するため、お客様の知恵が詰まった特徴がある様々な種類のスプールがあります。
スプールの表面にはさらに溝やノッチ(表面に掘られたV字型等の窪み)等の加工が施されていてそれらも油量の調節に欠かせません。
似ているようですが300種類の製品はベストパフォーマンスを生み出すためにそれぞれ異なった工夫が施されています。
*スプール:スプール、ポペットと呼ばれる弁体は、絞りのある形状をしていて、建機等の心臓部の油圧バルブの中で移動し、油圧回路で油の流量、方向や圧力を制御します。
ご質問・ご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。